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松本義久教授が令和6年度日本放射線影響学会賞を受賞しました。

2024年09月30日

令和6年9月25日から28日にかけて北九州国際会議場で開催された日本放射線影響学会第67回大会で、松本義久教授が令和6年度日本放射線影響学会賞を受賞し、受賞講演を行いました。

受賞対象となった研究課題は「DNA二重鎖切断の認識・修復の分子機構とがん治療への応用を目指した研究」です。放射線は遺伝情報を担うDNAに損傷を生じることによって、さまざまな健康影響やがん治療効果をもたらすと考えられていますが、その中でもDNA二重鎖切断は最も重篤な損傷と考えられています。松本教授は、私たちの細胞の中でDNA二重鎖切断のセンサーとして働く「DNA依存性プロテインキナーゼ」というタンパク質分子に注目し、これを通して細胞がどのようにしてDNA二重鎖切断を見つけて直す(修復する)のかを明らかにし、さらにそれで分かったことをがん放射線治療に活かすために放射線治療医との共同研究も進めてきました。また、2011年3月の福島第一原子力発電所事故以降、市民に対して放射線に関する正しい情報を発信してきたことも合わせて、放射線影響科学分野の進歩発展に大きく貢献したと評価され、今回の受賞となりました。

日本放射線影響学会 歴代学会賞受賞者 
https://www.jrrs.org/about/winning/winning_gakkai.html